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埼玉東部会計事務所 公式サイト

投稿日: 2026年8月31日

会社を経営していると、「役員改選」という言葉を耳にする機会があります。日常的に行う手続きではないため、「いつ必要なのか」「どのような手続きを行うのか」が分かりにくいと感じる経営者の方も多いのではないでしょうか。

役員改選は会社法に基づく重要な手続きであり、適切に行わなければ登記漏れや過料の対象となる可能性があります。したがって、役員の任期管理は会社運営において非常に重要な業務の一つです。

本記事では、役員改選の基本的な仕組みから手続きの流れ、登記の必要性、注意点まで詳しく解説します。

役員改選とは

役員改選とは、会社の役員の任期満了に伴い、株主総会などで新たに役員を選任する手続きのことをいいます。

ここでいう役員には、主に以下の者が含まれます。

  • 取締役
  • 代表取締役
  • 監査役
  • 会計参与
  • 会計監査人

株式会社では、役員には法律で定められた任期があります。そのため、任期が満了した場合には、退任させるか再任するかを決定しなければなりません。

法律上、有限会社の取締役や監査役等の役員、合同会社の業務執行社員・代表社員には任期がないため、役員改選は不要です。

「現在の役員が引き続き会社経営を行う場合でも手続きが必要なのか」と疑問に思われる方もいますが、同じ人物が継続して役員を務める場合でも、再任決議を行う必要があります。

この再任手続きも役員改選に含まれます。

役員の任期は何年?

役員改選を理解するためには、まず役員の任期について知っておく必要があります。

取締役の任期

取締役の任期は、原則として2年です。

「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで」 となります。

監査役の任期

監査役の任期は、原則として4年です。

「選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで」 となります。

非公開会社では任期を延長できる     

中小企業の多くは株式譲渡制限会社(非公開会社)に該当します。

非公開会社の場合は定款に定めることで、役員(取締役および監査役)の任期は最長10年まで延長できます。

役員変更登記の回数を減らす目的で、任期を10年に設定している会社も少なくありません。

ただし、任期を長くすると役員構成の見直しが遅れる場合もあるため、自社に適した期間を検討することが大切です。

役員改選が必要となるケース

役員改選が行われる主なケースは次のとおりです。

任期満了による改選

最も一般的なケースであり、役員の任期が終了するため、株主総会で再任または新任の決議を行います。

役員の交代    

現役員が退任し、新しい役員を選任する場合です。

例えば、「事業承継」や「親族内承継」、「外部人材の登用」等が該当します。

役員の増員

事業拡大や組織強化のため、新たな役員を追加します。

役員の辞任や死亡

任期途中でも役員が辞任したり、死亡したりした場合には、新たな役員を選任します。

※定款で定めた役員の人数に過不足が生じる場合は定款違反や過料の対象となるので、注意が必要です。

役員改選の流れ

役員改選は一般的に次の流れで進めます。

1. 任期の確認

まず現在の役員の任期を確認します。

登記簿謄本(登記事項証明書)だけでは任期の起算日が分からない場合もあるため、「定款」や「株主総会議事録」、「過去の登記資料」等を確認します。

2. 株主総会の開催

役員改選は、原則として株主総会で決議します。

株主総会では、「再任」・「新任」・「退任」について決議を行います。

3. 議事録の作成

株主総会終了後は、議事録を作成します。

議事録には、「開催日時」や「開催場所」、「出席株主」、「決議内容」等を記載します。

4. 就任承諾

新たに就任する役員や再任する役員から就任承諾を受けます。

就任承諾書を作成するのが一般的です。

5. 変更登記

役員に変更が生じた場合は法務局で変更登記を行います。

また、同じ役員を再任した場合でも、任期満了による重任登記が必要となります。

役員変更登記とは

役員改選後には、役員変更登記という法務局での手続きが必要になります。

登記期限

役員変更登記は、「変更が生じた日から2週間以内」に申請しなければなりません。

変更が生じた日とは通常、「株主総会開催日(決議日)」と「役員の就任日」を指します。

登録免許税

役員変更登記には下記の通り、登録免許税がかかります。

・資本金1億円以下の会社の場合は、1件につき1万円

・資本金1億円超の会社の場合は、3万円

登記を怠るとどうなる?

役員変更登記を忘れてしまう会社は意外と少なくありません。

しかし、登記を放置すると次のようなリスクがあります。

過料の対象になる

会社法では登記を怠った場合、代表者個人に対して過料が科される可能性があります。

過料額はケースによって異なりますが、数万円から十数万円になることもあります。

金融機関や取引先への影響

登記情報は、会社の信用情報の一つです。

役員情報が古いままだと、「融資手続き」や「取引先との契約」、「各種許認可申請」等で支障が生じる可能性があります。

休眠会社とみなされる場合がある

長期間登記が行われていない会社は、法務局から通知が送付される場合があります。

必要な対応を行わないと、みなし解散の対象となる可能性もあります。

中小企業でよくある役員改選の事例

社長のみの会社

オーナー社長が1名のみの会社でも、役員改選は必要です。

「自分しかいないから手続きは不要」と誤解されることがありますが、任期満了時には再任決議と重任登記を行わなければなりません。

親族への事業承継

近年は事業承継を目的として、「子どもを取締役に追加」や「社長を代表取締役会長へ変更」といったケースが増加しています。

事業承継では株式の承継も絡むため、税務面を含めた検討が重要です。

名義だけの役員の見直し

創業時に親族を役員として登記していたものの、実際には経営に関与していないケースがあります。

役員改選のタイミングで役員構成を見直し、実態に合った体制へ変更することも有効です。

役員改選で注意すべきポイント

任期管理を徹底する

役員変更登記の漏れは、多くの場合「任期を把握していなかった」ことが原因です。

任期満了予定日を管理表などで記録し、事前に確認できる体制を整えましょう。

定款の内容を確認する

会社ごとに任期の設定が異なります。

定款変更によって任期を延長している場合もあるため、必ず定款を確認しましょう。

事業承継と合わせて検討する

役員改選は経営体制を見直す良い機会です。

後継者育成や事業承継計画と合わせて検討することで、将来の経営基盤を強化できます。

まとめ

役員改選とは、役員の任期満了や人事異動に伴い、新たな役員を選任する重要な会社手続きです。

役員の任期管理を適切に行い、必要な時期に確実に手続きを進めることが大切です。

監修 : 佐藤 拓真